[完] 空に希望を乗せて [長編]

孤立

「先輩…。ちょっと聞いてもらってもいいですか?」
茜ちゃんからのメッセ。なんだろ。
「ん?どしたの?いーよ!」
「私1年生にハブられてるんです…。」
「まじか!なんかあった?」
「たぶん大会、あたしだけが出られることになったからって妬まれてるんですよ…😅」
「あぁ…。そゆことね。大丈夫?」
「大丈夫です」
「ごめん間違った。大丈夫なわけないわな。ハブられて苦しかったら大丈夫なんて言っちゃダメ。」

私はナズナのことを思い出す。ナズナ、バレー部のとき中2で大会に出れたからって急にハブられだして中3夏、自殺。大会前だった。
「ナズナ大丈夫?」
「うん、だいじょぶ。」というメッセ
日に日に憔悴していく表情。
明るくてバレーのうまかったナズナが
くらくて部活も休みがちになってしまった。それでも部活を辞めなかったのはバレーがほんとに好きだったからだろう。

「私にナズナって友達がいたの。ハブられて、自殺しちゃった。」
「え…?」
「バレー部で、上手くて。夏休み、私大丈夫?ってメッセ送ったの。その数日後…。」
「だから大丈夫は信じない。」
「そんなことが…。ハイ、大丈夫じゃないです。苦しいです。」
「会える?」
「あ、はい。今日ですか?」
「うん、日曜日だし。」
「あ、大丈夫です!」
「じゃあ水町駅の近くのコンビニでいい?今から」
「あ、はい!」
「じゃあ着いたら連絡して」
「はーい!」

ちゃちゃっとよそ行きに着替えて携帯とお財布を引っ掴んで家を出る。ちょっと歩けばすぐ着く。強引だったかもしれないけどハブられるときは話すのが1番!
ナズナ。第2の被害者は出さないようにするね。
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