[完] 空に希望を乗せて [長編]

その後

「ねぇこうちゃん、試合の時なんか言いたそうにしてなかったっけ?」
「あ、おぅ」
「優勝したらなんちゃらて…。」
「う、それ、みんなのまえでいう?」
「え、ダメなん?」
「だって、俺、もういい!みんな聞いて!」
「え?は?」
「みゆー!俺はみゆーのことが」
「え、ちょ、まって?」
「みゆーのことが好きだぁー!」
だぁ…と声が反響。水を打ったように一瞬静まり返る。そして、セキをきったようにキャーー!!!!と声があがる。
「俺と付き合ってください!!!」
美結の顔が真っ赤に赤面している。
「はー??!!?」
「いやまじで、俺ずっと、中学生の頃からずっっとみゆーが好きやった。俺の目に入ってた女子は、みゆーだけや。ごめん、言いよることグダグダやけど、俺でよかったら付き合ってください!」
ごく、と固唾をのんでみまもる。こくこく美結が頷いたと思ったら
「よろしくお願いします!」
と、言い放った。その瞬間、きゃーーーーーーっ!!!!という歓声。男子女子学年関係なく響く声。思わず美結に飛びついた。
「おめでとっ!美結!」
「え、あぁうん。ありがとう」
「晃太朗!よくやった!」
「先輩すごいっす!」
「美結先輩〜!おめでとうございます!」
よく言えば盛り上がり、悪くいえば不協和音。2月17日。美結&晃太朗くんの記念日になった。
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