お嬢様、今夜も溺愛いたします。
「大好きだから、大切だから、守りたい」
◇
「元彼……」
「はい……」
昨日、あの後。
「ほんとに久しぶりだな、美都。
皇財閥の孫って話、本当だったんだ?」
別れ際の冷たい眼差しや表情はどこにいったのかと思うほど、穏やかに笑って話しかけてきた。
志鷹 洸(シタカ コウ)。
紛れもない私を振った張本人であり、元彼。
「……どうして、こんなところにいるの?」
十夜さんと話していた時の笑顔がみるみるうちに冷たいものに変わる。
「星水に転校したって聞いてずっと会いたいと思ってたんだ。でもセキュリティーが厳しくて普段は会えない。外部の人も入れる今日なら、もしかしたら会えるかと思って」
あんなにひどい振り方をしておきながら、普通に笑って話しかけてきた志鷹くん。
ただただ怒りで震える私に、目の前の男はこう言った。
「志鷹くん、ね……
もうあの時みたいに、“ 洸くん ”って、呼んでくれないんだ?」
「っ!!」
悲しげに伏せられた目だったけれど、私は信じられなかった。
「元彼……」
「はい……」
昨日、あの後。
「ほんとに久しぶりだな、美都。
皇財閥の孫って話、本当だったんだ?」
別れ際の冷たい眼差しや表情はどこにいったのかと思うほど、穏やかに笑って話しかけてきた。
志鷹 洸(シタカ コウ)。
紛れもない私を振った張本人であり、元彼。
「……どうして、こんなところにいるの?」
十夜さんと話していた時の笑顔がみるみるうちに冷たいものに変わる。
「星水に転校したって聞いてずっと会いたいと思ってたんだ。でもセキュリティーが厳しくて普段は会えない。外部の人も入れる今日なら、もしかしたら会えるかと思って」
あんなにひどい振り方をしておきながら、普通に笑って話しかけてきた志鷹くん。
ただただ怒りで震える私に、目の前の男はこう言った。
「志鷹くん、ね……
もうあの時みたいに、“ 洸くん ”って、呼んでくれないんだ?」
「っ!!」
悲しげに伏せられた目だったけれど、私は信じられなかった。