お嬢様、今夜も溺愛いたします。
「思い、出しました……?」
窺うようなその声にぎゅっと唇を噛みしめて、涙が落ちそうになるのを必死に堪える。
「十夜さんが、あの、よるくん……?」
「そうですよ」
押し花を持つ手が震えて、声が掠れる。
「こちらに来てくださいお嬢様」
「っ……」
「お嬢様」
「………」
「────美都」
「っ!!」
その声は、あの頃大好きでやまなかったものと全く一緒。
小学生の時に一緒に遊んでくれた初恋の人の声。