蘇らせ屋のボクとヒトゴロシのキミ
☆☆☆

「すごい……」


若竹家の小さな庭へ出て来た僕へ、柚木さんがそう言った。


「仕事だからね」


僕はそう答え、プランターに植えられている花を見つめた。


どれも綺麗に咲いていて、手入れが行き届いている。


「本当に蘇らせることができるんだね」


「なんだよ今更」


僕は柚木さんの方を見ずにそう言った。


仕事を他の人に見せたことがないから、恥ずかしかったこともある。


「だって、すごい力だよ? 特別な力!」


そう言って柚木さんは僕の手を握りしめてきた。


僕は驚いて顔をあげ、花の甘い香りもあっという間に感じなくなってしまった。


柚木さんの輝いた顔が目の前にあることで、心臓が早鐘を打ち始める。


「そんなことない」


僕は小さな声で否定して柚木さんの手をどかした。
< 95 / 336 >

この作品をシェア

pagetop