プロポーズは突然に。





午前中はヘアメイクの担当をすることになった。

共に担当を務める優子さんと、先輩美容師の加賀美 春さんと一緒に11階へ向かうためエレベーターに乗り込む。


加賀美さんはフォーマルショートに黒渕メガネという知的なその雰囲気で女性客から絶大な支持を集めている。


施術中はお客様と一切会話をしないのが彼の拘りのようだが、普段は決して無愛想なわけではない。


…ただちょっとクセのある人っていうだけ。



加賀美さんと優子さんは同期で、苦楽を共にしてきた仲のはずなのに…

エレベーターの中はピリピリとした空気に包まれている。



「加賀美こっち寄るな。ついに私に惚れたのか?」

「うざ。自惚れもいい加減にしろ」

「黙れメガネ」

「黙れ男女」




この二人は犬猿の仲。

顔を合わせればいつもこうだ。



「二人とも喧嘩はやめてください」



この二人は常に喧嘩してるし…ちょっと憂鬱かも。




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