プロポーズは突然に。





その時、風が吹いてきて……


風に乗って枯れ葉が宙を舞い、


それと共にふわっと香ってきた匂い。



それは、思考回路が停止するほど心地いい香り。




そして…感じる彼のとても温かい手と、




「手………冷たいな」




切なく掠れた声で紡がれた、そんな言葉に…




『手………冷たいな』




閉ざしていた“あの日”の記憶の蓋が再び開いたんだ。






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