秘密の恋は1年後

彼と、そのあと ―sideまひる


 ――続きはあとで、って彼は言ってた。

 キスをするだけだって思ってたけれど、肩を押された瞬間に覚悟した。
 長い片想いの割に、付き合い始めてから間もなく身体を許してしまったとは思う。

 でも、後悔はない。
 単純に好きな人と愛し合うのが憧れでもあったからだ。
 しかも、それが千堂社長の彼女と認めてもらえた上でのことだから、幸せに満ちた時間だった。

 ベッドに横たわったまま、つい数分前までの甘い出来事を思い返しては、恥ずかしさで真っ白なタオルケットを鼻の高さまで持ち上げる。



「身体、大丈夫か?」
「……はい」

 彼が飲み物を持って寝室に戻ってきて、隣に入った。
 タオルケットの感触と彼の体温を素肌に感じながら、夕方前の初夏の空を見つめる。

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