生徒だけど寮母やります!3

反撃します!



さて、その光景を離れてみていた女子と爽馬たちだが


「ちょっと誰なのよあの女、何話してるのかちっとも聞こえないわね」

瀧居がいるステージから距離があるせいか、その会話の内容は聞こえていなかった


正体不明の女子生徒の登場に、何を話しているのか気になる様子の有姫


鈴菜は女子生徒を凝視すると

「あの女の子、生徒会にいなかった?妖術科の」

と首をひねった


「わん!」

私もそう思うと軽く吠えた景に、鈴菜が「やっぱそうやんな?」と嬉しそうに視線をやる



「生徒会?しかも妖術科?分からないわよそんなことまで」


生徒会とは直接いざこざ関係にあった景や、その様子を見てきた鈴菜や柊とは違って、そもそも生徒会にすらピンと来ない様子の有姫

魔術科と妖術科の関係性に大きな隔たりのあるこの学校の生徒としては、ごく普通の一般的な反応だ



「って、妖術科ならココにいるじゃない。見おぼえある?」

そう言って有姫が尋ねたのは、景を抱えたままじっと動かずの爽馬


「多分見たことある」


女子たちと比べてそこまで関心がないのか、それ以上は何も言わないが、彼が覚えているなら彼女は妖術科の生徒会役員としてまちがいないだろう



「ということは、あの女が瀧居の彼女ってことかしら」

「そうかもしれないね。でもあの人、瀧居さんに対して何か怒っているように見えるんだけど。何話してるのか気になるね」

「ほんまやな」

「そうね」


柊と鈴菜、有姫が女子生徒の異変に首を傾げた時






「彼女って言わないでくれる!?ていうかもう私、あんたの彼女やめる。相生君のことが好きになったから!」






その声だけがくっきりと大きく聞こえたのだった




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