ダブル~私が選ぶのはどっち~
「ん?約束って?」

「気が向いたらって行くって、私はちゃんと言いましたよね?」

私は草野主任と関係が始まってから、全く変わっていない。

それは慎に対しても同じだ。

二人に対して決してぶれない、それが私の中のささやかなルールだ。

何も言えなくなってしまった草野主任は憮然としている。

「とにかく仕事をしましょう。」

私は草野主任を促す。

「今日は会ってくれるんだろうな?」

草野主任の口からやっと言葉をこぼれた。

「残念ですが、今日は草野主任との同行のせいで私は残業決定です。」

草野主任は頭を抱えた。













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