しょーとしょーと

疑問がつくのは、大きすぎて認識できないというのもあるけど、

相手が動いている間は見えていたはずのものが、急に見えなくなった。


「クワッ?」


「さっきから大騒ぎして、どうしたんだい?」


巨人は希実の頬をつついた。


指が動くと、途端に認識できる。


その手も大きくて恐怖する希実ではあるが、巨人の声はとても穏やかで……聞き覚えがあった。


「クワッ」


そうだ、藤川(ふじかわ)くんの声だ!


藤川は同じクラスで、座席が隣だった。


希実の好きな人でもある。

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