しょーとしょーと

ふり向くと、ビニールバックを持った黄色のワンピース姿の有紗が笑って立っていた。


さっきまでどこにも姿がなかったのに、いつの間に来たのだろう。


莉乃の立つ位置からは360度見わたせて、ぜんぶ確認したはずだった。


わりと大きな公園なので、公園の入り口からここまでも少し時間がかかる。


ダッシュでもしない限り、さっきまでいなかった人がここにいるわけないのだけど、

走る音なんてしなかった。


莉乃を驚かそうと、どこかに隠れていたんだろうか。


不思議に思いながらも、莉乃は有紗に笑いかけた。

< 27 / 99 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop