season
「……ただいま。」




「おかえり夏海。お風呂沸いてるわよ〜。」




いつものように、にこやかなお母さん。





そんなお母さんに、緊張しながらも伝える。




「今度の土曜日、お母さんに会ってほしい人がいるんだけど…」



「あら、じゃあ目一杯オシャレしないとねぇ。」




誰と会うのかとか、何も聞かないお母さん。



にこにこ笑顔のお母さん。




そんなお母さんの笑顔…




崩しちゃうかもしれない。




「じゃあ…お風呂入ってくる。」




逃げるようにリビングを飛び出した私。





どうやっても、教師と付き合ってることに変わりはない。



だったら…




春馬くんが如何に誠実な人で、私にとってどれだけ大切な人なのかを、わかってもらえるようにしなきゃ。





それから土曜日がやって来るまでは、私はずっとそのことばかりを考えていた。


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