season
私は心いっぱい満たされた状態で、春馬くんの車が角を曲がるまで見送った。



好き。




好き。




どんな瞬間も“好き”があふれ出してくる。




…高校の卒業まで、あと一年。




それまで、こうやって春馬くんとコッソリ会うようにして…




卒業まで、バレないように我慢しないと。





秋山先生の時のようにはなりたくない。




だけど、春馬くんと別れる勇気もない。




今さら、春馬くんと会う前の日々には…戻れない。




車内でのキスでまだ火照る顔を手で仰ぎながら、私は家の中に入った。







…まさか、それを“アイツ”に見られてるとは思わなくて。




それが、私たちの関係を揺るがすことになるなんて…






この時は、思いもしなかったの。



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