お見合いだけど、恋することからはじめよう

「……で、七海の方はどうなのよ?」

誓子さんがちらり、とあたしを見る。

「それが、向こうの仕事が忙しすぎてこの前のデート以来会えていないんです」

知らず識らず、目を伏せてしまう。

「なにもがっつりデートしなくても、ちょっとの時間でも会えばいいじゃない?」

誓子さんがさも当然のように言う。

……だけど、父や姉の状況を見ていたら、とてもそんなワガママを言う気にはなれない。

「でも……『首輪』をはめられてるとこを見ると、うまくいってるみたいだわね」

誓子さんの視線があたしの首元に落ちる。

「それ、アメシストよね?
情熱の赤と冷静の青が混ざった『紫』が、『真実の愛』を見抜く力をもたらすらしいわよ?」


……やっぱり、この人、よく見てるわ。

< 251 / 530 >

この作品をシェア

pagetop