お見合いだけど、恋することからはじめよう
「えっと……『半年ほどかかった』ってどういうことですか?」
あたしは先刻の父の言葉が気にかかっていたので尋ねてみた。
「きみはお父さんから、この話をいつ聞いたの?」
逆に、田中さんから質問される。
「えーっと……先月、だったかな?」
あたしがそう答えると、彼は前髪をくしゃっ、と掻き上げた。
「……自分から話を振ってきたくせに。
あのオヤジ、いざとなったらかわいい娘を手放したくなくなったんだな?」
「あ、あの……?」
話がイマイチ見えない。
「実はこの話、きみのお父さんから去年の夏あたりに勧められてたんだけどさ。
まぁ、おれも、リーダー研修とかがあってなかなか時間がつくれなかったこともあるとはいえ、
……それにしても、な」
へぇ……なんか自分のことは「僕」と言う雰囲気に見えるのに「おれ」って言うんだ。
ちょっと、意外……いやいやいや、そうじゃなくて。