お見合いだけど、恋することからはじめよう
「確かに、遊ぶ相手には不自由していないのは事実だけどね」
……あ、遊ぶ相手?
「妹が結婚するし、おれも三十歳を越えてちゃんとした相手と出会いたいと思うようになってさ。
そんなときに、きみのお父さんからこの話をされてね」
……その『遊ぶ相手』とは、どうなっちゃうんですか?
「それから、学生時代から知ってるきみのお姉さんとは、今さら恋愛感情は抱けないなぁ」
……たぶん、うちの姉こそ、そう思ってるでしょうけど?
「それに……別にきみのお父さんに頼らなくてもさ」
田中さんはあたしの目を見据えた。
このときばかりは、彼の目に鋭さを感じた。