カラダから、はじまる。
Epilogue

「……七瀬さん、起きて」

頬を軽くぺちぺち…とやられて、わたしは不快感で眉間にシワを寄せつつも、目を開けた。

いつの間にか、意識が飛んでいたようだ。
走馬灯のように、今までのことが脳裏を駆け巡っていた。

「あ、ごめんね、高木……もう、チェックアウトの時間?」

ラブホの大きなベッドの中で、自分に覆いかぶさる彼を見上げて訊いた。
頭の中はまだ、白い(もや)の中にいるみたいにぼんやりとしている。

「やっぱり……ずいぶんと余裕だな?」

女として生まれてくれば、さぞかし美女であったことだろうその顔を、高木は盛大に歪ませた。

そして、次の瞬間……ぐんっ、と腰を入れた。

「……あ……っん……っ!」

不意打ちに、思わず甘い声で()いてしまった。


……ちょ、ちょっと、高木っ!
ま、まさか、射精()ったあと抜かずに挿入(いれ)たまんまとかっ⁉︎

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