カラダから、はじまる。

それから、高木によって適当に目についたラブホへと促され、適当に選んだ部屋の重たいドアを開けるやいなや、わたしは大きなベッドの上に組み敷かれて、そのあとは意識が飛ぶくらいの絶頂を極めさせられた。

そして、今に至るのだが……


「ぬ……抜いて……」

わたしは、か細い声で高木に頼んだ。

「……は?」

彼はまた、ぐんっ、と腰を入れた。

「……ぁあ……っ⁉︎」

普段の自分からは信じられないくらいの嬌声が、このくちびるから漏れる。

わたしの膣内(なか)は、身動きできないほど、「彼」によってみっちりと占められていた。


今の高木に、あの(たお)やかな雰囲気は微塵もない。

華奢だと思っていたその体軀は、濡れ羽色のブラックスーツ(礼服)の奥に潜んでいたアンダーシャツを脱ぎ捨てたとたん、認識を改めざるを得なかった。

無駄に盛り上がった不自然な筋肉とは対極の、均整がとれてしなやかな美しい筋肉がそこにはあった。

いわゆる、細マッチョ、っていうヤツだ。

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