鬼噛島
「廊下まで聞こえてたけど、どうしたの?」


僕が入ったことで途切れた会話を聞くと、皆思い出したようにため息をついた。


「まぁ~った来斗がネタを見つけたんだとよ。」


窓の近くに座っていた部長の将吾が、興味がなさそうに窓を見ながら言った。


それとは対照的に興奮気味に話す来斗。


「これは面白いッスよ!!鬼噛島!!鬼が住む島!!」


「おにかみしま?…昔の言い伝えだね。」


「そうッス!オレも良くばーちゃんから聞いてたんッスけど。」


そう言って嬉しそうに一冊の本をバンッと机の上に置いた。


「実は絵本があったんッスよ!!!!」


「絵本??」


僕もよく親戚から聞いてたけど、絵本があるなんて聞いたことがない。


他の皆も同じようで、少し驚いていた。

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