課長、サインを下さい!~溺愛申請書の受理をお願いします。
 こっちは伊達に歳食ってんじゃないからな。
 …って、誰と張り合ってんだか。

 自分でもちょっと笑えるな、と思いながら美弥子を見下ろすと、彼女は潤んだ瞳で小首を傾げながら俺を下から覗き込んでいる。

 「くっ…」

 おっさんの自制心を試しているのか!?

 彼女の天然な仕草に、理性の糸が切れる前に彼女から一旦離れることにした。

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