課長、サインを下さい!~溺愛申請書の受理をお願いします。
 そのまま彼の唇が少しずつ下に移動していく。
 目をギュッと硬く瞑って、彼の唇を受け入れる。
 漏れ出そうになる声を我慢するために、自分の手で口を塞いだ。
 羞恥に苛まれた体は既に燃えるように熱い。
 
 「はぁっ」

 首筋と鎖骨を往復していた唇が離れた隙を見て、短い息を吐く。

 でも次の瞬間―――

 課長の手がスエットの裾から忍び込んだ。

 「~~~!」

 ビクッと肩が跳ねる。
 このまま荒々しくかき乱されるのかと、体が一瞬で固まった。

 でも、その手は私の予想を裏切った。

 大きくて熱い掌がゆっくりと私の体を撫でた。
 体の曲線を確かめるようにゆっくりと。
 腰から肩へ、肩から背中へ、背中から足へ、
 一つ一つを丁寧に、優しく、まるで萎縮する私の体を宥めるように、その大きな掌で撫でられる。

 そうされるうちに少し体の力が抜けてきた。
 マッサージを受けているかのような動きに、体がほぐれていく。

 私の緊張が解けたのを見計らったかのように、それまで穏やかだったその手が胸元に忍び込んだ。

 急に与えられた刺激に思わず身を捩る。
 さきほどまでとは打って変わった嫌らしい手つきに、翻弄される。
 
 「あっ、やぁ、、」

 甘い刺激に段々と声を我慢できなくなる。
 
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