Home * Love 〜始まりは、キス〜




「―――こういう訳で。悪いのは私なのよ。」

まりなちゃんは、
小さなため息をつきながら言う。



「ううん?悪いのは私よ?
まりなちゃん、私のせいで…ごめんね?」

多実ちゃんは一生懸命首を振る。



「多実ちゃん…謝らないでよ。
良かった、
多実ちゃんが怪我しないで。
だって…
たろ君の大事な妹だもん、ね?」

まりなちゃんは
たろちゃんを見て、パチリとウインク。


「まりなちゃん…
俺の一番大切な多実をを
守ってくれてありがとう。
でも、ごめんね?
痛かったでしょ?大丈夫?」

たろちゃんは顔を赤くしながら、俯いた。



「大丈夫よ♪これくらい!
これからバレエのお稽古があるの
今日は来てくれてありがとね?
たろ、多実ちゃんっ」


まりなちゃんは、
本当に優しい子で。

3人の幼稚園生の絆に
じんわりと目が潤む。

こうやって、みんな
どんどん成長していくんだね。




ふと、まりなちゃんママを見ると………

まりなちゃんママも
涙を滲ませていたんだ。



「時原さん…
さっきは酷い事を言ってしまって
ごめんなさいね。
本当に真っ直ぐな子ども達だこと。

あなた、
何か分からない事があったら
何でも私に言ってちょうだいね。
協力するわ。」




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