Home * Love 〜始まりは、キス〜



と、平然と答える多実ちゃん。



私は大きなため息をついてから
おにぎりをお皿の上に置く。

毛布に潜り込み
一人言のように呟いた。

「どうして、入れちゃったのよ〜」




「だって…雨が降ってきたんだよ?」

「鈴なかなか起きねぇし。」

2人が毛布を引っ張ってくる。




━━━雨…。

そうか、
私…洗濯物干しっぱなしだったんだ。


「………ごめん。ありがとうね。」

毛布から顔を出して、
たろちゃんと多実ちゃんに謝った。



「鈴、顔赤いよ?」




春から梅雨。

雨音と共に

少しずつ、
大きくなりはじめた
“スキ”のキモチ。


梅田さんは私にとって
かなり特別な人になっていて。



だけど、

梅田さんの大切な人は・・・


うん。

やっぱり、このキモチは
心の中にしまおう。


好きになっては
いけない人だもん。


だけど、梅田さん

もう少しだけ

パワー頂戴?




☆第2話 終☆




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