朧咲夜1-偽モノ婚約者は先生-【完】
返事をして、準備に取り掛かった。
時計を見るとまだ六時だった。
「流夜くん、朝ごはんは?」
「いつも食わない」
「そうですか……」
やっぱりか、この人は。
「それより、すぐに送っていけば咲桜は家で食べられるだろ」
「じゃあ流夜くんもうちで食べて行って。少しは頭の動きも違うと思うよ」
「いや……」
「大丈夫。父さんには私から言うから」
私の声は、自分でも驚くほどしっかりしていた。
もう、大丈夫だよ。