イジワル御曹司ととろ甘同居はじめます

想いを伝える勇気

4人で会社に戻ると案の定、みんなの視線が一気に集まる。

「ちょっと凄いね」

文佳がその視線のすさまじさに驚いている。

「うん、かなり広まってるんだよね」

宮田さんもかなり警戒した様子だ。

だけど建一さんだけは堂々とした態度でエレベーターのボタンを押す。

すると建一さんはくるっと回れ右をしてあたりを見渡す。そして

「突然だが一言いわせてほしい。僕は、隣にいる経理部の大沢みずほさんと結婚前提に付合っている。このことを拡散しても全然構わない。だが、これだけは言っておく。適当な噂は辞めてくれ。もし大沢さんを侮辱するような噂を流れしたりしたら俺は容赦しない。以上」

タイミングがいいのか建一さんが宣言したと同時にエレベーターが開いた。

話を聞いていた人は突然の事に驚き、動けずにいる。

結果エレベーターに乗ったのは私たち4人のみ。

ドアが閉ると文佳が興奮したようになぜか宮田さんの肩をバシバシ叩く。

「部長かっこ良すぎます。あ～私も言われてみたいな～」

「僕には真似できません」

興奮する二人の横で建一さんが私の手をぎゅっと握ってくれた。

たったこれだけの事なのに守られてると実感できる。

私も強くならなくちゃ。
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