イジワル御曹司ととろ甘同居はじめます
やっぱり怒ってる?

さっきまでの勢いは建一さんの迫力に惨敗中。

建一さんはベッドに腰掛けると大きく溜息をついた。

「全く・・・こんな所まで来やがって」

やっぱり私の行動に嫌気が差してる?そりゃそうだよね。こんな所まで押しかけて・・・

こんな所まで来やがってというまでの一連のカレの態度や会話で私はとても嫌な女なんだと気付いた。

「突然押しかけるようなことしてすみませんでした。この時間なら新幹線もまだあるので帰ります」

泣きたいのか怒りたいのか悔しいのか悲しいのか、はたまた恥ずかしいのか、惨めなのかもう頭の中はぐちゃぐちゃでよくわからない。

とにかく早くこの部屋から出て頭を整理させたい。私はそのまま回れ右をしてドアノブに手を掛けた。

すると同時に肩を掴まれる。

「行くな」

その声はまるで私の行動に対して呆れているようにしか思えなかった。

「いえ、帰ります」

振り返りもせず答える。だってもし顔を見たら言いたくないことまで言ってしまいそうだから。

すると大きな溜息が聞こえる。

「ごめん、俺はお前を避けていた」

ほらやっぱり、私は完全に嫌われたんだ。
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