イジワル御曹司ととろ甘同居はじめます
そして夕食の時

「明日2人はどうやって港まで行くの?」

部長が尋ねる。

「タクシーで行こうかと思ってるが、どうかしたか?」

「いや、なんなら送っていこうかと思って。見送りがあった方がいいんじゃない?デッキの上から知らない人に手を振るより家族に向かって手を振りたいだろ?」

「そりゃ~な~」

部長の提案に母と社長は顔を見合わせ頷く。

「じゃあ、明日港まで送っていくよ。みずほちゃんもそれでいいね?」

「は?」

ちょっと待ってよ。何急に話を振ってくるの?

「は?って話聞いてた?明日2人を港まで送ってお見送りしようっていったんだけど。もしかして明日はデートとか予定ある?」

会社で見せる優しい方の部長だ。

これが一度死角のある場所になると意地悪部長に変身するんだからあ~~怖い。

「べ、別にデートなんて・・・予定はありませんけど…」

「だったらみずほちゃんも一緒に見送りに行こうよ」

どうして好きでもない義妹に対してこんな笑顔を向けれるの?それにみずほちゃんって何?

ちゃん付けされてこんなに怖いと思ったのは初めてだ

芝居だと分かっているから複雑だし、なんでこんな家族ごっこみたいなことをするんだろう…

部長の考えていることが全くわからない。

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