イジワル御曹司ととろ甘同居はじめます

「大沢さん？…電話大丈夫でした？」

私は思いきり頭を下げた。

「ごめんなさい。家の用事が･･･急用で今すぐ帰ってこいと」

「大沢さん、頭上げて。家の用事なら仕方ないよ。またの機会って事で」

「ごめんなさい」

もう一度頭を下げると宮田さんがクスクス笑った。

「だから僕は大丈夫だって。早く帰った方がいいよ。また明日ね」

「はい。さよなら」

私は走った。走りながら思った。なんで走ってる。走ったら胸が揺れる。

そして我に返って足を止めた。

宮田さんはいい人だ。あの人は他の男の人とは違う。私自身を見てくれる。

それに比べて部長はなんでいつもタイミングよく連絡をよこすんだろう。

まさかGPSでもつけてるの？

いろんな事を考えながら駐車場につくと部長は助手席の窓を開け一言

「遅い！」

もう！部長の考えていることが全くわからなーい。