イジワル御曹司ととろ甘同居はじめます

恋愛不器用

「・・・っそっか」

「ごめんなさい。気持ちはとてもうれしいし、宮田さんはとても素敵な人だし好きですよ」

「え？だったら・・・」

私は首を振った。

「でもごめんなさい。ドキドキしないんです」

「ドキドキ？」

「はい。一緒にいるだけで胸がドキドキしてキューンっとする。それがないんです。安心感は凄くあるんですよ。
落ち着くというか･･･」

「あはは・・・なんかあまり褒められた感がないね」

週明け、仕事帰りに宮田さんからの告白の返事をした。

「で、でもお茶のみ友達としては最高です！」

思わず言葉に力が入る。

「そっか～お茶のみ友達ね。こんなことならもっと大人っぽい場所で口説けばよかったのかな？ってごめんね。自信があったわけじゃないけどやっぱり振られるのは･･･きつい」

「本当にごめんなさい」

今まで、全く知らない人から交際を申し込まれた時は断ることに心が痛むことはあっても苦しいとまでは正直思わなかった。でも相手が凄くいい人で、しかも私に実直に向き合ってくれた人を断ることがこんなにつらいとは今の今まで全くわからなかった。

「もう、謝らないで。でも…振られたからといってこれで終わりとかおもってないよ。それこそ、お茶のみ友達。また一緒にお茶のみに行こうよ。もちろん下心なしのね」

「はい。こちらこそ」

宮田さんを好きになればきっと幸せだったかもしれない。そうなれなかったことが残念だ。
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