【医者恋シリーズ2】 冷徹ドクターのイジワルな庇護愛


つかつかと私の前までくると、おもむろに二の腕を掴む。

「えっ⁉︎」と驚いているうちにつまみ出すようにしてさっき入ってきた入り口まで連れていかれてしまっていた。


「では、また明日、ご来院ください」


ぽいと私を外へ追い出し、わざとらしい丁寧語を使うと、ガラスの自動ドアを内側からロックしてしまう。

「あ、あの!」と思わず声を上げたタイミングで、すっとロールカーテンを下げられてしまった。


ちょっと……!

なんなの、あの不機嫌獣医師!


じゃこのことは丁寧によく診てくれていた。

だけど、飼い主の私に対するあの態度。

確かに、時間外に押しかけたこっちが悪いかもしれないけど、なんか納得いかないし!


仕方なく、じゃこを抱いて二人できた道をとぼとぼと一人帰っていく。

慌てて出ていった部屋へと帰ると、じゃこの残したご飯や、いつも寝ている寝床を目にするだけで切なさが込み上げた。


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