【医者恋シリーズ2】 冷徹ドクターのイジワルな庇護愛
が……。
「えっ、開いてないの⁉︎」
全面がガラス張りの自動ドアの奥には、ロールカーテンが半分以上下ろされていた。
とりあえずその前に立ってみるけど、やはりガラス扉はピクリとも反応しない。
「嘘でしょ、やっとここまできたのに!」
扉に顔を寄せて中の様子を窺う。
ロールカーテンが並ぶその隙間から中を除くと、電気がついているような明るさが奥に見えた。
私の腕の中で大人しくしているじゃこを抱き直し、思い切ってそのガラスの自動ドアをゴンゴンと叩いてみる。
「すみません! 誰かいませんか⁉︎」
お願い、誰か出てきて!
そんな思いで呼びかけ続ける。
遠慮なしで叩いていた目の前のガラス扉の向こう、予告なしでロールカーテンが上がり、そこに現れた不機嫌そうな目にじっと睨まれた。