あなたへ
ガシャーンッ!


わざとコップを落とす。


落としても割れないようにプラスチック製のコップを使う所が多いが、ここはこだわってガラスにしている。


それを知っている私は割れるように思い切り落とした。


「「きゃっ!」」


女性達は驚きすぐにその場から離れる。


それを見た私は立ち上がり女性達とふとんくん達の間に壁になるような形で立ち止まる。


「わわっ!ごめんなさいっ!怪我ないですか!?」


私は女性達に問う。


「大丈夫ですけど…」


あからさまに邪魔をされて不機嫌な女性。


「大丈夫?瑠梨。店員さん呼んでくる」


美結は私の行動を察したのか店員さんを呼ぶ為に立ち上がる。


「君も、怪我なかった?」


白い生地さんが私に話しかける。


「あ、大丈夫です…!」


なるべく手短に会話を終わらせる。


そこに店員さんがやってくる。


「大丈夫ですかお客様!?」


店員さんは女性2人に駆け寄って、危ないから席に戻るように促す。


渋々席へと戻っていく女性達。


「…大丈夫?瑠梨ちゃん」


店員さんが私に聞く


「私は大丈夫です。一応こちらのお客様達も別の場所に移動させた方が…」


そう言ってチラッとふとんくん達を見る。


「そうだね、お客様こちらへ」


そう言って店員さんは、お店の厨房の近くの席に案内する。


厨房の近くは店員さんがよく通るので女性達も、もう寄ってこないだろう。


これで一安心…。


自分で自分の割ったガラスの破片を集める。


すると、1つの影が私を覆った。
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