あなたへ
「とりあえず、一緒に回る?」


私の不安そうな表情を見てか、そう声を掛けてくれた。


「ううん、大丈夫!ふとんくんに案内出来るように下見でもしてこようかな!美結は彼氏の出店ブースに行っておいで!」


精一杯の強がり。ニッと笑ってみせた。


「そう…?それなら、行くね。何かあったらすぐ連絡して、瑠梨の為なら飛んで行くからね」

「うん、ありがとう!楽しんでね」


そう言って教室前で美結と別れた。


休憩時間は1時間、今は13時過ぎ。文化祭が終わるのは16時だ。


この休憩で会えなかったらあとは後夜祭だけ。休憩中に来てくれる希望を胸に私は正門前でふとんくんが来るのを待っていた。
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