カクテル紅茶館の事件簿録

「友達……」

考え込む先輩を、織原先生は優しい眼差しで見つめている。

そんな中、第一声を放ったのはヌイだった。

「すみません。僕たちはここで失礼します」

「え?」

思わず声が出た。

「あれ?タマちゃんたら忘れてる?

僕たちはいまデート中だったでしょ?」

「え?え?」

「二人分のお代です。それじゃあ失礼します」

「お代はいらないわ」
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