いらっしゃいませ

とわこさん。
ありがとうございます。

僕は、彼女とちゃんと向き合おうと
思っていたのに…向き合えてませんでしたね。

最後くらい、きちんと自分の気持ちを話して
謝ります…。
感謝してることも、出来るなら彼女の
気持ちに応えたかったことも…伝えます。


そうじゃな…。
お前さんの気持ちを、ちゃんと話したら
いいさ。

うやむやにされるより、よっぽど
マシじゃろ。しっかりな。


…はい。ありがとうございました。


上半分、水になったアイスカフェオレを
クルクルっと回し、また一気に飲み干して。
ごちそうさまでした!と、笑う男性を、

とわこさんは、ニコニコ眺めていた。


奥の部屋から出てくると、
またヤスとチビちゃんが、ああでもない
こうでもないと、うるさくしてる。

ほらほら、お前たち、お客様がお帰りだよ!
全く…お前たちは、犬と猫みたいじゃな。


ああ、そう言えば…。
お前さん、ものすごい猫舌じゃないかい?
と、とわこさんが聞くと。


え!?なんでわかったんですか!?
アイスカフェオレ…?
いや、でも、今の時期…アイスコーヒー…
普通ですよねぇ?

視線で問われたヤスが、
…そうっすね。
今日は、アイスもんばっかだったっすよ。
この店、クーラー代ケチってるから。


おだまり、ヤス。


ひっ。睨まれて、固まるヤスを尻目に、


とわこさんはっ、
何でもお見通しなのさっ!

と、チビちゃんがまた…
変な決めポーズをする。


笑いながら、出て行く男性を、

ありがとうございました!
またのお越しをお待ちしてます!と、
いつも通りにお見送りして。


それにしても、何で猫舌?

首をかしげるヤスに。

とわこさんはっ、何でもっ

お見通しなのさっ!

今度は、とわこさんと、チビちゃん2人
そろって決めポーズ。

…はいはい。もういいっすよ…。



それから3カ月ほどたった日、

この間のキリマンの彼女と…
アイスカフェオレの彼が…一緒にこの店を
訪れて、俺らを驚かしてくれた。



いや…驚いてたのは、俺だけだったけど。

…なんで??

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