いらっしゃいませ

すまないね。お待たせしてしまったかい?

とわこさんが、部屋に入っていくと
そこには、若い男性がいた。

いいえ。時間よりだいぶ早く着いてしまって。
こちらこそ、すみません。

見ると、誠実そうな、色の白い男性だった。

そこへ、チビちゃんが部屋をノックして
入ってきた。

ご注文はお決まりですかー?

ニコニコするチビちゃんを、優しい目で
見てから、

アイスカフェオレをお願いします。
と、言った。

はーい。と、チビちゃんが出て行くと。


聞いてたとおりのお店ですね。
とても居心地がいい。

おや、ありがとう。
今日は誰かのご紹介だったのかい?

とわこさんが、そう言うと。

紹介されたわけでは無いんですが。

前に、知り合いがここへ来た時の
お話を思い出したもので…。

なるほど。
どうして、思い出してもらえたんだい?

すると…少し目を伏せ。
実は…と、話し始めた。



僕には、彼女がいるんです。
と言っても、見てわかるかも知れませんが
僕は…あまりそういうのは得意じゃなくて。

明るくて、社交的な彼女が、
なんで僕なんかと付き合いたいんだろうって
思いながら…いたんです。



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