なぜか私、クラスのイケメンツートップに告られました!


そんな、あれこれから中一日置いて約束の月曜日。

私は自分の部屋のクローゼットの前で、あれでも無い、これでも無いと服を出しては並べて悩んでいた。

「デートなんて経験なくて、どんな格好が正解なのか分からない!」

まさか、こんなに服ひとつで悩むようになるとは。
恋とは、まさにいきなり突風に巻き込まれて違う国に行ったドロシーみたいな気分になる。

恋を認めて素直になると、世界が一気に一変したくらいに変わってしまった。

恋のパワーは半端ないのだ。

服に悩んでいるうちに、もう約束の1時間前。

メイクも髪型もいじらなきゃいけないのに!

「あー、もう時間ない!!」

私は上はニットで下はプリント生地にチュールを重ねたスカートのワンピースにした。
少し寒いから、ショールも合わせる。
そして、メイクをして珍しくコテで髪をゆるふわに巻いた。
黒髪だからちょっと重いけど、ふわっと巻くだけで少し軽さが出る。

そうして身支度して、カバンにスマホに財布、ハンカチにポーチなどを入れて準備したところに家のチャイムが鳴った。

今日のデートはお母さんにだけは話してある。
すると、少しくらい顔を出せるわよね?となり悠くんにはうちの駐車場に停めて貰って少し家に寄ってもらうことにした。

「すみません、今日は少しお邪魔します。そして咲ちゃんお借りします」

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