なぜか私、クラスのイケメンツートップに告られました!

こうして、色々あったがなんとか運動会は無事に終了した。

最後の最後に先輩との会話中に生徒会長が来るという、あまり嬉しくない事態付きで……。

「美希、見に来たのか?」

「えぇ、ちょうど教授の都合で休講になって時間が出来ましたから」

ニッコリと微笑む先輩の姿は、深窓のご令嬢そのもの。
事実、綾小路先輩のお家は綾小路コンチェルンという1流企業の創業一族本家のお嬢様である。

「楽しめたか?」
「はい。久しぶりに友人の咲さんとも顔を合せられましたし、翔悟さんの本気で走る姿も久しぶりに見られましたしね」

うん、実に仲良きことは美しきかな……。

美男美女のこのやりとり、見てる分にはリアルTLで美味しいです。
ゴチです!

ちょっと拝みたくなるのとニヤけそうになるのを必死で抑え込んでる。
私の表情筋はいま最大限仕事してる!!

そんな所に、春子が迎えに来た。

「咲!閉会式だよ。あ、綾小路先輩!お久しぶりです、こんにちは」

そう、私が先輩と知り合うきっかけになったのは春子だ。
先輩と春子は茶道部での先輩後輩にあたり、このふたりも仲が良い。

「山路さんか。じゃあ、俺もそろそろ行くな。山野さん、怪我無理しないように。あと、葉のことも見てやってな」

ニヤリと笑って去っていく会長。

ニヒルだけど、友達思いではあるみたいだ。
ちょっと見方の変わった日になったのであった。

こうして、波乱の運動会は幕を閉じたのだった。
ちなみに、今回の怪我は全治一週間の打撲であった……。
女子って生き物の怖さも身をもって知った出来事でした……。
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