優しい恋
「飯田くん、本当にすごい。尊敬する。」

「突然どうしたの?」

「きちんと対応できてすごいなって思った。私なんておろおろしてただけだもん。」

素直な気持ちを言うと、直ぐ様否定された。

「いや、詩織の方がすごいよ。まわりをよく見ている。詩織に言われなかったら迷子だって気付かなかったよ。」

「そんなことないよ。それにしても、子供への対応上手いよね。いいパパになりそう。」

私の言葉に、飯田くんは固まった。

あれ?
私、何か変なこと言った?

飯田くんは口元を押さえて、

「いつも先越されちゃうなぁ。」

とボソッと呟いた。
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