優しい恋
「飯田くんが好きです。よかったら付き合ってください。」

「…よろしくお願いします。」

送別会で思いもよらず、彼女から告白された。

まさか、とは思ったが、転職が決まって落ち着いていたこともあって、素直に受け入れることができた。
とても嬉しかった。


新しい会社は希望したエンジニアの職で、大変ながらも毎日が充実していた。
ああそうだ、俺がやりたかった仕事はこういうものだ、なんて感慨に耽ったりもした。

気付くといつも彼女から連絡がきていた。
別に常に受け身でいたわけじゃない。
俺が連絡するより先に、彼女の方から連絡があるということ。

ただ、それだけだ。
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