君の隣でその白いドレスを着たくて




「そうだよね。前会った時も別に言わなかったし。」



「今日はサークル勧誘ですか?」



「うん、一応。
幽霊部員でほぼ行ってないんだけど、俺がいたら女の子が興味持ってくれるだろうって先輩が……。」



イケメンも大変なんだなぁ。



「お疲れ様です。」



「ありがとう。
ふたりは入学式の帰りだよね?入学おめでとう。」



「「ありがとうございます。」」



「引き止めてごめんね。気をつけて帰って。」



「はい。」



「梨々の知り合いってイケメン多いね。」



永渡先輩と別れた後、希々が唐突に口を開く。



「そうかな?」



「そうだよ!
体育祭の時のふたりも、今の先輩も、めっちゃイケメンじゃん。」



「確かに……。それはそうだね。」



「いいなぁ。
あ、そういえば、大斗さんとはどうなの?」



「別に何もないよ。」



「えー、でもこの1年間は、特に長い時間一緒に居たんでしょ?
それに、大斗さんは梨々のこと好きって。」



「一緒にいたのは勉強を教えてもらう為だし、告白もずいぶん前にされて断ったきりで、大斗さんももうそんな気ないと思うよ?」



「そうかな?
社会人1年目で忙しい時期に、梨々の受験勉強のためにあんなに時間を取ってくれるのは、まだ好きだからだと思うけどなぁ。」



「もー、希々はすぐそういう話に持っていくんだから。
大斗さんは優しいから付き合ってくれただけだよ。」



「えぇー、そうかなぁ?」



「そうそう。」



「じゃあさっきの永渡さんは?
高校の先輩って関係にしては仲良さそうだったけど。」



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