君の隣でその白いドレスを着たくて
第3章

夏休み







夏休みがやってきた。

あたしも佳奈も無事、赤点は1科目も無く、補習を免れた。


けれど、楽しみにしていた夏休みのはずなのに、1ヶ月と2週間程度、先輩に会えないとなると、少し寂しい気もする。



「早めに夏休みの課題終わらせちゃおう。」



気持ちを切り替えるため、あたしは図書館で勉強することにした。



─────



どこに座ろう・・・。


図書館に来てみたのはいいものの、夏休みだからか人が多く、誰も座っていないテーブルはなかった。

ここの図書館は、学校の近くの図書館よりも少し遠いけれど、雰囲気が好きでよく来る。

ただ、席が少ないのが難点だった。

よし。あそこにしよう。



「失礼します・・・。」



「あ。はい。」



あたしは、ひとり黙々と本を読んでいる男性が座っている、斜め前に座らせてもらった。





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