俺様外科医の極甘プロポーズ
「りささんとの結婚を許していただけないでしょうか」
俺は花村の両親に向かって頭を下げた。緊張で頭が白くかすんで、それ以降の言葉が出てこない。いろいろ考えたはずの言葉がすべて吹き飛んでしまったようだった。
しんと静まってしまった応接間で、俺は恐る恐る下げた頭を戻してみる。すると、花村の父親は腕を組んだまま口を真一文字に結んでいた。
「……お父さん、私壱也さんと結婚したいの。いいでしょ?」
花村はそう言って父親をせかす。
嫌な汗がにじんだ。俺は花村の両親に結婚を反対された時のことを考えていなかった。
ここまでおめでたい男だったなんて自分でも恥ずかしくて情けない。
いくらなんでも、院長の時みたいに言いたいことを言って出ていくわけにもいかないだろう。
「あの、お父さん」
「誰が君のお父さんだ」
「すみません」
こんな既視感のあるやり取りを自分がするなんて夢にも思わなかった。そして俺はまた黙り込む。
するとたまりかねた様子の花村の母親がゆっくりと口を開いた。