俺様外科医の極甘プロポーズ
9.5俺の決心

宿泊を伴う研修にいく。そう花村は俺に言った。

そして今日、彼女は朝早くマンションを出ていった。いつもなら聞いてもいない細かなこと
をこれでもかと話すのに、なぜか今回の研修だけは詳細不明のままだ。

なんとなく不審に思って事務室で職員の出張届を見てみたが花村のものはなかった。

「……当然か。個人で申し込んだ研修は報告の義務はないし」

そう独り言ちながらなに気なく見たホワイトボードに俺の目はくぎ付けになった。花村と同じ日程で、副院長は学
会にいってる。

「まさか。同じ所へ行ったんじゃないでしょうね?」

「そのまさかですよ、壱也先生」

 振り返るとそこには内科病棟の吉野師長が立っていた。

「その話、詳しく聞かせてくれませんか?」

俺たちは会議室に移動した。吉野師長がここでは話せないといったからだ。

逸る気持ちを抑えて、吉野師長が口を開くのを待つ。

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