俺様外科医の極甘プロポーズ
「何考えてんの? ここ、おいで」
先生に手招きされて、私はベッドの上に上がる。
「失礼しまーす」
そっと隣に寝転んで何気なく上を見上げる。すると天井が鏡になっていて、そこに映る先生と目が合った。気まずさに目をそらすとぎゅっと手を握られる。私の鼓動が跳ねた。
「りさ」
「は、はいっ?」
「このまま二人で南の島にでも移住しようか」
「――南の島!?」
上半身だけ跳ね起きて、先生を見下ろす。
「……いきなり何言うんですか?」
「だって、なにもかもがいやになったんだもん」
……だもん。って、そんなかわいらしい感じで言われても、返答に困る。そんな私をしり目に、先生はスマホに手を伸ばすと、“南の島”“移住”と入力している。
「へえ、フィジーだって。いいね。海がめちゃ綺麗。ほら、みて」
目の前にスマホを差し出され、私は戸惑いながらもその画面を覗く。そこには絵にかいたような南の島の画像がいくつも映し出されている。青い海。白い砂浜。ヤシの木。青空に太陽。ほがらかな島民の笑顔。
「確かにきれいですけど……」
「行こうか、フィジー」
「病院はどうするんですか?」
先生がいなくなれば、柏瀬病院は元の赤字経営に戻ってしまうだろう。せっかくここまで頑張ってきたのに、今までの努力が水の泡だ。