僕より強いお姫様
ずるいのは君

ねえ、もう…そろそろ帰らない?


隣でまだグラスを傾けてる彼女に、
おそるおそる言ってみた。


やだ。


…ちか、もう…だいぶ飲んだよ?


だから?


もう…かえろーよぉ。


僕の彼女は、僕より…男前で。

会社では、バリバリと働いて、
泣き言も言わず仕事第一で…
とっても強い。


僕と、ちかは…幼馴染で。
昔から、イジメられてる僕を守ってくれた。


あたしがいなきゃ、何も出来ないから、
と、僕の彼女になってから…。
もう2年が経つ。

相変わらず、僕は守られてばかり…。


今日、ちかが荒れてるのも、僕のせいだった。

僕は、大好きな古着ショップの雇われ店長を
やっている。
若い子のお客さんが増えてきたせいか、
一度囲まれると、なかなか離してもらえず。


今日は、お手紙までもらってしまった。

こんな僕だから、うまくかわせずに
赤くなってるところに、ちかがやって来て。


客を装って、これ見せて!と、
呼んでくれたから…なんとか、逃げ出すことが
できて。

ホッとしてたら、今度は、ちかが怒り出して。

いつまでも女のコたちに囲まれてないで、
ちゃんと仕事しなさいよ!
全く、ナオくんは…いつも、ヘラヘラして!


や、ヘラヘラしてないけど?


してますよーだ!ふん。


そんなこんなで…今に至るんだ…。

< 1 / 3 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop