アローン・アゲイン
車はターミナルセンターを横目に目的地周辺の料金所を通過。
すると彼女は何かに気付いた様だ。

「この道って確か…」

「ビルは建て変わって高層タワーになったけど店の名前は以前のままだった。
1杯だけ付き合ってくれたら終電に間に合いそうだ」

「ラストオーダーだけに?でも随分と忙しいわね」

「そうでもないさ…13階より上はシュペリアル・オーランドという二つ星ホテルになってる。
港湾の夜景を一望出来る部屋を予約しておいたから今夜はそこで休むといいよ、明日のチェックアウトに合わせ迎えに行くから」

「でもその店は以前、交際してた元カレの勤務先よ?今はただのメル友だけど…」

「知ってるよ…共通の友人だしね、だからこの場所を選んだんだ。
新たなスタートとしてゆかりがあるだけでなく気を紛らすにも都合のいいスペースだからね」

「素敵な計らいを有り難う、嬉しいわ…でも過ちは二度と起こさない、絶対にね」

「君を信じるよ」

「私もあなたの事、信じていいかしら?」

「僕にも夢があるんだ…それは君の夢が叶う事さ」

助手席ではしゃぐ彼女の無邪気な瞳が、少しだけ光ったように見えた…


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