うそつき
Chapter 6
ここ最近、果乃はよく部屋から出てくるようになった。


少し慣れて来たのか、ちょくちょく部屋に戻ったりはしているがリビングで母さんと話しているのをよく見かける。


昨日なんか、果乃と母さん一緒に歌っていた。


この前は果乃が母さんに勉強を教えてもらっていた。


そして体育祭2日後の夜。


帰ってくる予定だった母さんがカミナリの影響で飛行機が飛ばず、シドニーで一泊するご様子。


果乃は母さんがいないことに不機嫌極まりない。


ちなみに、カミナリは日本にも来ているらしくて。


「…唯兎くん、今日一緒に寝よう…!!」


ビビリな果乃さんは僕の服の裾を掴んで離しません。


さっきの態度はどこへ行ってしまったのでしょうか。


言ってしまえば、こういう不測の事態にはそこそこ耐性がついてきて、理性を抑える方法を取得しかけるところまではきた。


「まぁ、梅雨だからカミナリもくるよね」


「…唯兎くん、一緒に、寝よ…?」



お誘いへの返事をしなかった僕が一緒に寝たくないと言ってるように思ったのか、目に涙をためて覗き込んでくる。



あ、ダメだ。


制御しきれてないです。


可愛すぎます。


控えめにいうと、襲いたいです。


…ダメですね、ごめんなさい。
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