うそつき
Chapter 7
【果乃side】

今日は、久しぶりに柚月に会う日。


眠たいって思いつつも8時に起床しました。


柚月と咲良がお家に来てくれるらしい。


私が歌い手してること、言ったことなかったのに。


柚月は知っててくれてた。



めちゃくちゃ嬉しい。



コンコンコン



ゆ、柚月…!


嬉しくなってしまって勢いよくドアを開けるとドアノブを持つ手に衝撃と耳に鈍い音が聞こえた。


「…あっごめん。…柚月かと思って…」


「だ、大丈夫ー…」



唯兎くんでした。


当たり前だよね、普通に考えて。


本当に勢いよく開けちゃったから相当痛かったらしくて涙目になっている。


「…ほ、ほんとにごめん」


「いーよ…とりあえずいこう」



そう言って唯兎くんは歩き出した。


ちょこちょことついて行くとこの家に来てから見たことない道に入った。


「…初めて見る道」


「家の廊下を道路みたいに例えるのやめようか…?」


「…あっ」



そんなつもりはなかった。


いや、道だもんだってこれ。


めちゃくちゃ広いし、両サイド庭園みたいになってるし…。


どこかの旅館みたい。


「…みんな、どこにいるの?」


「客間だよ、ここの部屋」



唯兎くんが指をさした部屋は襖で、いかにも中は畳です、と言わんばかりの雰囲気を漂わせている。
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